ーーー

その後、女の子との遊びに飽きた天馬くんと

マンションの裏でサッカーをしていた

なんかテンションが上がって天馬くんはめっちゃはしゃいでた

楽しそうな声を聞いたからなのか唯たちも出て来て

美優紀と私で挟んでドッチボールをして遊んだ

なんか子供らと遊んでたら

私と美優紀も子どもの頃に戻ったみたいで

純粋に楽しんでた

ーーー

あっという間に時間は過ぎ

里美さんが迎えにきた

「どうもすみません、お世話になりましたー」

マンション前で里美さんが美優紀に頭を下げる

「いえ、こちらこそ。うちの子らと仲良くしてくれて嬉しいです」

唯は里美さんのお腹に顔を当てにこにことしていた

「あの、今何ヶ月ですか?」

美優紀が尋ねる

「8ヶ月です」

里美さんはニコッと笑う

「わーもうすぐですねぇ。楽しみやなぁ」

美優紀はニコッと唯に笑う

「うんっ!唯な、いっぱいお世話すんねん!」

唯はドヤ顔でふんぞり返っている

里美さんの妊娠がわかってから

唯はお世話をするとずっと張り切っているのだ

「彩ちゃんもありがとうね」

「いや、大丈夫ですよ。時間はあるんで言ってください」

私はニコッと笑う

「産まれたら抱っこさせてくださいねー」

美優紀もニコニコと笑う

「もちろん。じゃあ失礼しますー」

「バイバーイ」

そう言って里美さんたちは帰って行った

「ほな、私も帰るわ」

私は美優紀の方を向いて言う

「え?そう?よかったらご飯食べていかへん?」

「ええて。悪いし」

会ってすぐにはなぁ…と思い断る

「えー食べないの?」

天馬くんが私を見上げる

「食べよー」

天音ちゃんも私を見つめる

「ふふっ。気に入られてしもたみたいやな」

美優紀はクスクスと笑う

「いや、でも悪いやろ…」

「ええよ。1人分や変わらんし。それに彩ちゃんちゃんと栄養あるもん食べてる?」

「う…」

図星を突かれて私はたじろぐ

「やっぱり。ええやん、みんなで食べよ。あ、仕事いける?」

「あぁ…いけるで」

「ほな決まりやなー」

「「やったー!」」

2人は私の腕をつかみマンションの入り口へと引っ張る

「わかった、わかった。ほら階段こけるで」

「彩ちゃん人気者やなー」

後ろから美優紀の楽しそうな声が聞こえた

ーーー
結局流されるまま私は美優紀のところでご飯を食べることになった

料理を手伝うって言ったけど子供らと遊んでくれてたらええって言われて

私は今天馬くんの好きな仮面ラ◯ダーの説明をされている

天音ちゃんはその合間で絵を描いて見せてくれたりしている

男女やからか好きなもん全然ちゃうなぁ…

てか2人相手にするん大変や…

キッチンではカレーのいい匂いがしてくる

「できたでー」

美優紀の声に救われた

ーーー

ニュース番組を見ながら、私らはカレーを食べる

「あ、なつかしー。この人まだ出てんねや」

「あーそやなぁ。けっこうでてんで」

東京にいた美優紀にとっては関西のニュースひとつとっても懐かしいんだろうな

「ママ今日関西弁いっぱいでるね」

天馬くんがカレーをいっぱい口につけたまま言う

「あー彩ちゃんとおるからなぁ」

美優紀はチラッと私を見る

「なんやねん。悪かったなコテコテでよ」

「もーそんなん言うてないやん」

「…ママ嬉しそう」

天音ちゃんが私らのやりとりを見て言う

「え…?」

不意に言われて私は顔が赤くなる

「ふふっ。そうやね。めーっちゃ嬉しい」

「「めーっちゃ嬉しい」」

響きが気に入ったのか2人も言い出して

めっちゃ恥ずかしくなった…