ジリリ・・・

目覚ましが鳴り朝日がカーテンを照らす

「ん・・・・」

私、山本彩は薄目を開けて手探りで目覚まし時計を探る

時刻は7時30分

美優紀、今日はよ起きないかんっていよらんかったけ・・・

隣で私の胸に顔を埋めて眠っている美優紀を見る

「おーい」

呼びかけてみるが反応はない

「美優紀。起きろ」

肩を揺らす

「ん・・・おはよーさやかちゃん」

目をこすりながら美優紀が目を覚ます

「なぁ。今7時半やけど」

「へ!?」

その言葉を聞いて美優紀が飛び起きた

産まれたままの姿のため

胸が揺れる

まぁ私もおんなじなんやけど・・・

「あかんあかん!!」

美優紀はベッドから慌てて飛び出し

床にほっぽりだしていた下着を着け始める

私はその姿を布団にくるまりながら見ていた

今日は私は仕事は休みなのだ

恋人である美優紀の家に泊まり

まぁ恋人らしいことをして今に至る

余韻もなんもないなぁ・・・

まぁ仕事やし仕方ないか

そんなことを思いながらばたばたと準備をする美優紀を見ていた

「あー!遅れるー!」

シリアルをお皿にぶちまけ叫んでいる

「彩ちゃん牛乳どこ?出して!」

牛乳は冷蔵庫以外にどこにあるんや・・・

私はため息をつきながら布団を出て

下着を拾いつける

美優紀はこの間に化粧するようだ

ガチャ

冷蔵庫をあけて牛乳を取り出しシリアルに注ぐ

一緒に食べてる暇はなさそうかなぁ

「美優紀ー牛乳入れたで」

「ありがとうー」

美優紀は少しするとばたばたと席に座り

シリアルをほおばる

「急いでても朝は食べるんやな」

「朝ご飯は大事やもん」

美優紀はスプーンを私の方にびしっと向ける

ほな目覚まし早めにセットしとけよ

一緒に食べれんやんか・・・

ため息をつき美優紀の向かいの席に座る

「ごちそうさま!彩ちゃん洗い物よろしく」

「はいはい」

「あとな」

「ん?」

「背中のジッパーしめてくれへん?」

「はいはい」

私は椅子から立つと美優紀の方にむかう

美優紀の首筋を見つめる

基本後ろからまじまじとみつめることないけど

きれいなー・・・

「何?見とれてるん?」

美優紀がいたずらっぽく笑う

「あほ、そんなんちゃうわ」

「またまた~素直にゆうてくれてええねんで」

美優紀はニヤニヤしながらいう

「あーもう、うるさいなぁ。それに一人でジッパー閉めれんのやったら帰ってきたときどないすんねん。めんどくさい服きるなぁ」

「あーひどい。勝負服なん!今日大事なプレゼンなんやから」

美優紀はむっと頬を膨らませる

「それに」

「なんや?」

「帰ってきたら彩ちゃん、居てくれるやろ?」

な・・・

不覚にもどきっとしてしまった

「えへへー」

美優紀はいたずらっぽく笑う

しゃあないなぁ・・・

私は美優紀の背中に唇をあて

ちゅっと軽く吸った

「えっ」

「うまくいくようにおまじないや」

そういってジッパーをしめ

頭をぽんぽんと軽くたたく

「彩ちゃん・・・すきっ」

美優紀は勢いよく抱きついてくる

「ほれ、はよせな遅れるで。続きは帰ってきてからな」

「うんっ!」

美優紀はにこにこと鞄を持ち

「ほな行ってきます!」

玄関から出て行った

私はその姿を見送りながら

美優紀と迎える朝はどんな形でも幸せなんだなと思うのだった・・・・



FIN